畳は、和室の床に用いられる伝統的な建築材料で、日本の気候や風土に最も適した床材として日本独自に発達してきたものです。
お寺の本堂、座敷等々、わたしたちの生活の中で様々な癒しの空間を演出してくれます。
畳の歴史
畳の歴史は古く、奈良時代には畳の原型「むしろ」があり、今のような厚みのある畳は奈良東大寺の正倉院ある聖武天皇が使用した「御床畳」がルーツと言われています。
その後平安時代には身分によって畳の大きさや・縁の生地・色等が決められるようになり、明治維新まで続きます。
畳の吸湿性・放湿性
畳は一畳で約500CCの水分を吸収し、乾燥してくると放湿するという自然のエアコン作用を備えている。
また、畳表は空気中に含まれる有害な二酸化窒素を吸着し、その半分以上を無害な一酸化窒素に変えています。
断熱性・保温性
5センチほどの厚さの畳床にはその材質に空気がしっかり詰まっています。空気は熱を伝えにくいという性質があります。つまり畳は冷たい空気をシャットアウトし、たくわえた熱を逃がさない羽毛布団と同じようなもの。だからあたたかく心地よいのです。
畳の空気浄化作用
い草の香りには鎮静効果があります。また東大工学部の研究によって、い草が二酸化窒素を吸着する働きがあることが分かりました。さらには熊本大学工学部の研究では、シックハウス症候群の原因物質として問題になっているホルムアルデヒドを吸着する作用についても報告されています。畳は空気を浄化しながら、私達に森林浴と同じようなリラックス効果をもたらしてくれるのです。
吸音・遮音効果
畳の部屋はほかの部屋に比べて、静けさを感じます。これは視覚的に「落ち着き」を感じるからだけではなく、実際に畳床の空気が余計な音を吸収してしまうから。衝撃を弱くする弾力性に加え、この吸音効果があるから、畳の部屋はいつも静かで、少々乱暴に歩いても震動や足音が弱まるのです。